フリッツハンセン(FRITZ HANSEN) セブンチェア ・アントチェア 座面と脚部の接着修理①
フリッツハンセンのセブンチェア・アントチェアの座面が外れてしまった
というお客様からのお問い合わせを頂く機会が増えております。
そこで、セブンチェア・アントチェアの座面と脚部の接着修理の方法や様子、
また、なぜ座面が外れてしまうのか、どうすれば外れなくなるのか等も合わせてご紹介させて頂きます。
今回は、座面が外れてしまう原因を中心にご紹介します!
こちらが、座面が外れてしまっている状態です。

なぜ座面が外れてしまうのか...それにはいくつかの理由があります。
一つ目は、下記画像の接着剤です。


剥がれたあとを見ると、接合用のプラスティックパーツ(下記画像)の形状により、
接着剤が非常に厚く入り込む箇所ができてしまいます。(透明の塊ができている部分)
立ったり座ったりを繰り返すうちに、パーツではなく、
この厚く塗られた接着剤に亀裂や割れができ、徐々に接着が剥がれていきます。
そうなると、そのまま座面が外れてしまったり
そこから生じるガタ付きから、プラスティックパーツが割れて外れたりしてしまいます。
このような負荷のかかる部分への接着剤は、こういった亀裂が入ることの無いよう、
全体的にできる限り薄く塗る必要があります。

次に、こちらのプラスティックパーツ(上の写真)です。
現在修理依頼を頂いているチェアには、ほぼ全てにこのプラスティックパーツが使用されています。
というのも、発売当時このパーツは、プラスティックではなく木で作られていたのです。
2000年代に入った頃から、プラスティックに変更となりました。
なぜ、20年以上も前に作られた木のパーツの物よりも、
10年前に作られたプラスティックパーツの方が壊れやすいかというと、
同じ素材同士の方が、より強く接着されるからです。
木の座面に対して、異素材のプラスティックを使用するよりも、
同素材の木のパーツを使用した方が強度や耐久性は高まります。
以上が、セブンチェアやアントチェアの座面が外れてしまう原因でした。
次回は、この原因を踏まえつつ、外れない為の修理方法やその修理風景をご紹介します!
〜座面と脚部の接着修理②はこちらよりご覧頂けます〜
https://decobocovintage.blog.fc2.com/blog-entry-10.html
■フリッツハンセンの修理の実績は、下記よりご覧ください。
https://www.deco-boco.com/type/vintage/genre/repair-cleaning/repair-fritzhansen
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